転職が決まった日の夜、思ったことがある。
「残り時間で、できることを全部やろう。」
退職日まで猶予があった。この期間を無駄にしたくなかった。やりたいことを全力でやりきって、それから飛び込もうと決めた。
結果的にやったことは6つだ。順番に書いていく。
① サウナスパプロフェッショナルの勉強を始めた
転職が決まってまず最初にやったのが、資格の勉強だった。
サウナスパプロフェッショナルとは、日本サウナ・スパ協会が認定するサウナの専門資格だ。サウナの歴史・健康効果・施設設計・入浴法など、サウナに関する幅広い知識を体系的に学べる。
動機はシンプルだった。好きなだけでは足りない。プロとしてサウナに向き合うなら、きちんと知識を持っておきたかった。
勉強してみて気づいたこと
サウナの山脈は、想像以上に広かった。
フィンランドの文化的背景、自律神経への作用、施設設計の考え方、ロウリュの科学。「好きだから知っているつもり」でいたことの、どれだけ多くを実は知らなかったか。勉強するたびにそれを思い知らされた。
知識が増えると、サウナの見え方が変わる。同じ施設に入っても、気づくことが違う。「好き」が「わかる」に変わっていく感覚が楽しくて、勉強が苦にならない。
まだ取得には至っていない。でも勉強を始めたことは、転職前にやって本当によかったと思っている。
② 良質なインプットのために、サウナを巡った
転職すると、今まで自由に使えていた時間の使い方が変わる。そのことはわかっていた。だから転職前のうちに、行きたかった施設を巡ることにした。
東海エリアを中心にいくつかの施設を訪れ、関東にも遠征した。施設ごとの所感はデータベースで管理して、訪問のたびに記録を積み上げていった。
巡る中で感じたことがある。施設ごとに、明確な個性がある。温度・湿度・動線・空間の作り方。同じ「サウナ」という言葉の中に、これだけ異なる世界があることに改めて驚いた。資格の勉強と並行して施設を巡ることで、テキストで学んだことと実際の体験がつながっていく感覚があった。
「仕事でサウナに関わる前の自分」として、フラットな目線で感じられるのは今だけかもしれない。そう思ったら、動かずにはいられなかった。
田辺温熱保養所もこの時期に訪れた施設のひとつだ(別記事で詳しく書いている)。
③ 前職の先輩・友人に挨拶をした
退職が決まると、連絡を先延ばしにしがちだ。でも転職前にきちんと挨拶をしておくことは、思った以上に大切だと感じた。
チャットで連絡できる人にはメッセージを送った。直接会える人とは、遊びに行ったり飲みに行ったりした。
挨拶をしようと思った理由は2つある。
ひとつは、純粋にお礼を伝えたかったからだ。前職では、正直しんどい時期もあった。そのときに助けてもらった先輩や友人がいる。辞める前に、その感謝をきちんと言葉にして伝えておきたかった。
もうひとつは、縁を繋ぎ直しておきたかったからだ。転職はゴールではなく通過点だ。業界が変わっても、人との縁は続く。お互いに違う場所で経験を積んだあと、また助け合えることがあるかもしれない。そういう関係を、ちゃんと維持しておきたかった。
「辞める報告」ではなく「これからもよろしく」という気持ちで会いに行ったら、どの場も温かかった。
④ 転職先での関係構築を早めに始めた
入社前から、できる範囲で顔を出す機会を作った。自分から率先して挨拶をして、名前と顔を覚えてもらう。それだけで、初日の緊張感がずいぶん違う。
ベンチャーは組織が小さい分、人間関係が仕事のスピードに直結する。早いうちに関係構築に動いておくことは、入社後のスタートダッシュに確実につながった。
⑤ このブログを始めた
転職が決まってからもうひとつやったことがある。このブログ「サウナメガネ」を立ち上げた。
きっかけはシンプルだ。インプットだけでは知識は定着しない。アウトプットの場を作ることで、学んだことを言語化し、整理し、より深く理解できると考えた。
資格の勉強・施設巡り・業界で働く体験。これらをブログという形で発信することで、自分自身がサウナについてより詳しくなれる。そしてその過程が、誰かの役に立てれば一石二鳥だ。
書くことは、考えることだ。「好き」を「言葉」にする習慣が、これからの自分を作っていくと思っている。
⑥ やれていなかったことに、片っ端から手をつけた
サウナ・資格・人間関係と動きながら、もうひとつ意識していたことがある。ずっと後回しにしていたことを、この期間に全部片付けることだ。
IMA Standardの資格を取った。 マーケティングやSNS活用など、店舗の知名度向上や経営につながる知識を体系的に学べる資格だ。比較的短期間で取得できて、かつサウナ業界でも直接活かせると思って取りにいった。
部屋の大掃除をした。 環境を整えると、頭の中も整理される。新しいステージに入る前に、物理的にも心理的にもリセットしたかった。
メルカリで不要なものを処分した。 使っていないものを手放すと、不思議と気持ちが軽くなる。断捨離は最高のリフレッシュだ。
旅行(キャンプ)に行った。 仕事のことを一切考えない時間を作った。自然の中で過ごすことで、転職への不安より楽しみの方が大きくなっていった。
転職前の有給消化期間は、ただ「休む」だけではもったいない。やりたかったことをやりきる期間として使うことで、気持ちよく次のステージに入れた。
やりきって、飛び込んだ
振り返ると、転職が決まってからの期間は「準備期間」ではなく「全力期間」だったと思う。
不安がなかったわけじゃない。でも手を動かしていれば、不安は小さくなる。知識を入れて、施設を巡って、人に会いに行って、次の場所に顔を出して、やれていなかったことを片付けて。やることが明確だったから、余計なことを考えずに済んだ。
転職前の自分として、できることをやりきった。それだけで十分だ。
順序は逆になってしまったが、転職後2週間の話は、別の記事で書いている。
合わせて読んでもらえたらうれしい。
― サウナメガネ

コメント